東洋医学にはさまざまな概念があります。陰陽、五行、冷熱、気、血、水などなど。しかし、もっとも重要な概念は人間の体を全体として捉える視点です。ルドルフ・ウィルヒョウの“細胞病理学”に対してあえて名前を付ければ“個体病理学”。この概念がなければ東洋医学はあまたある代替医療のひとつにすぎません。
漢方薬は普通、複数の生薬からできあがっています。そして大きく、発汗に関連した汗方剤、寫下に関連した下方剤、利尿に関連した和方剤に分けられます。
解析のためまず、生薬を漢字名にかわってアルファベットの省略記号で表すことにしました(次章)。次に和田正系著“漢方治療法提要”に記載されている155処方中におけるその使用頻度から生薬を分類しました。